花粉症薬は眠くなりにくいものが増えている
花粉症薬や鼻炎薬と言うと「眠くなる」という印象をお持ちの方も多いですが、最近では治療効果が高く、眠くなるなどの副作用が非常に少ない花粉症薬がありますので、耳鼻科の医師やドラッグストアの薬剤師さんによく相談してみてください。
花粉症薬は飲み薬と点眼薬・点眼薬を併用
耳鼻科医院などで花粉症薬での治療を行う場合、飲み薬と点眼薬・点眼薬を併用することが一般的です。個人でドラッグストアなどで個別に花粉症薬を購入される場合は組み合わせに注意が必要なこともありますので、薬剤師さんにご相談ください。
花粉症薬として主なものには以下の3種類があります。
坑ヒスタミン薬と坑アレルギー薬
坑ヒスタミン薬は鼻の粘膜で交感神経や毛細血管を刺激するヒスタミンの働きをブロックします。以前はこの坑ヒスタミン剤が起きているときに活発になる交感神経の動きを抑えてしまい、眠くなりやすいことがありましたが、最近では薬の働き方が大きく変わり、眠くなるなどの副作用が非常に少ない坑ヒスタミン薬が人気があります。個人差がありますので、眠気を強く感じる方は就寝前に服用するタイプの花粉症薬を選ばれるのもおすすめの方法です。
一方、インタール、リザベン、アレギザールなどの坑アレルギー薬はヒスタミンの発生自体を事前に抑えますが、薬としての即効性はなく、飲み始めて数日から2週間ほどしてから効き目が現れます。途中でやめてしまうと、再び飲み始めてもすぐに効果が出てくれませんので注意しましょう。抗アレルギー薬は坑ヒスタミン薬に比べ、眠くなることは少ないとされています。
花粉症シーズンが始まる前から服用するなら坑アレルギー薬、花粉症の症状が出始めてしまったら即効性のある坑ヒスタミン薬と使い分けましょう。
鼻噴霧用ステロイド薬
鼻に直接噴霧する点鼻薬です。
点鼻薬を使用する前には、花粉を含む鼻汁をしっかりよくかんで(出して)から使用するのがおすすめです。スプレー式の点鼻薬でも、噴出す力が必ずしも強くありませんので、しっかり鼻から息を吸い込みながら、鼻の奥へ入るように射すと、鼻の奥の粘膜に効率よく広がり、よくききます。
逆に既に粘膜の炎症がひどい患者の場合には、スプレー自体が刺激となって鼻炎(炎症)を起こすことがあります。
中等度以上のアレルギー性鼻炎患者全般に飲み薬(抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬)との併用が推奨されています。1-2日目から効きはじめ、2-4週間でピークに達し、長期連用することで効果が上がります。通年製のアレルギー性鼻炎の場合は通年で使用する異なりますが、その場合でも全身性服作用はないとされています。最近ではアラミスト(フルチカゾンフランカルボン酸)の処方が増えており、全体の4割を占めるというデータもあります。
市販の点鼻薬には、このほか、坑ヒスタミン薬や血管収縮薬が含まれていることがあります。
坑ヒスタミン点眼薬
アレルギー性結膜炎によく用いられる坑ヒスタミン薬や坑アレルギー点眼薬を処方されることが多いですが、症状がひどいときにはステロイドの配合された点眼薬が処方されることがあります。医師・薬剤師の指示に従って適用する限り、ほとんど危険性もないとされています。
花粉症薬を飲み始める時期
花粉症薬は症状が出る前に飲み始めると効果的
花粉症薬を飲み始める時期については医師などから指示がありますが、概ね
- ヒスタミンの発生を予防する抗アレルギー薬:花粉が飛散し始める1-2週間前から花粉シーズン終了まで
- ヒスタミンの働きをブロックする坑ヒスタミン薬:花粉が飛散し始める前日から花粉シーズン終了まで
と覚えておくとよいです。
花粉シーズンは毎日使用する
いずれも、大切なのは
- 花粉症の症状が重くなってからでは効果があまり期待できませんので、症状が始まる前や軽いうちから使用すること
- 花粉シーズンには毎日使用すること
- 妊娠中・妊娠が疑われる場合は薬物による治療は避ける(必ず医師にご相談ください)
ということです。